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2013.07.24 おばあちゃん
僕はおばあちゃん子だった。
物心ついたときには一緒に朝と夕方読経をし、
おばあちゃん友達の家に行ってお菓子をもらっていた。

ばあちゃんはいつも草むしりをしていた。
柿の木の下、野菜の畝・・・
早朝からラジオで浪曲を聞きながら、蚊取り線香を腰につけ
農作業用に座布団をおろし、座り込んで毎日毎日草をむしっていた。
素手でむしっていたので、ばあちゃんの手は硬かった。




そのうち、ばあちゃんは年のせいで草むしりもはかどらなくなり、
父に草刈りをするよう言った。
父は草刈り機でしぶしぶ刈っていた。

僕が上京した年の夏にばあちゃんは他界した。
葬儀に出ようと僕の乗った飛行機は、
天候不良のため着陸できないと、徳島空港の上を旋回して戻ってしまい、
結局葬儀には出席できなかった。

父の定年退職後間もなく母は糖尿病になった。
入退院を繰り返し、今では週に3回人工透析に通院している。
父は介護のため畑まで手が回らず、柿畑は草ぼうぼうになった。

小さいころ柿の枝を持って走り回り、木登りしたあの畑が
そのような姿になったことはとてもショックだったが、
当時勤めていた仕事を辞めて戻ることも考えたが、
当時の僕はそれを現実的ではないと判断した。

震災後、家族全員で緊急避難した時、僕は家族を実家に住まわせることを提案した。
家賃がかからないという打算的な面ももちろんあったが、
荒れ果てた畑と家を昔に戻したいと思う気持ちもあった。
しかしそれは「お前らが来たら気兼ねしてしまう。ゆっくり暮らしたい。」という理由で断られた。
それで新しい職場に近い市内の借家を借りて住むことになった。

そして今、久尾に移住し自給自足を目指して農業をしている。
自然農用に着々と準備されていく僕たちの畑。
それを見るたびに実家の柿畑のことが頭をよぎった。

久尾の畑の黒豆の植え付けが終わりひと段落したので、
今までの気がかりを解消しようと僕は実家に向かった。

片道3時間の道のりで到着し、準備ができたころには正午を回っていた。
まずは東の畑。
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3年間放置していたという柿畑はツタの山と化していた。
久尾の人たちの草刈り機使いを見て勉強していたので、
山の斜面を刈りこむようにツタを切りながら木の下を刈った。
直径6センチくらいあるセンダの木やら大きく成長した茨が生えており、
もはや畑ではなく雑木林のような状態だった。

晴れの続く日を選んで来たのだが暑かった。
柿の木はイラガの幼虫もいるし、ハチの巣があることも予想して完全防護だ。
日が出ているときは木の下を刈るようにし、効率よくやるようにした。
野良仕事の効率やテクニックというものは、
探究しようとして身につくものではなく、
過酷な環境の中でいかにやり抜くかを突き詰めていくと
自然とそうなるものなのだということを身をもって知った。

夕方にすべて刈り終えた。
父はツタは根元を切っておいておけばいずれ枯れるのでそのままでよいと言っていたが、
僕は昔の畑に戻したいという思いがあったのでそのツタを取り払った。
柿の葉の10倍といっても大げさでないくらいのツタをひっぱる作業はかなり大変だった。
3本ほどの木を助けただけで初日は終わった。

二日目は朝6時からツタはがし。
日陰からは難しいので熱くなる前に終えるつもりで始めた。
茨と混ざっているものは六つ子という長い熊手のようなものでひっぱった。
否応なしに葉っぱに触るので何度かイラガにやられた。
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作業をしているとお隣さんがやってきた。
誰がやっているのかという風な感じでのぞいていたが、
僕を見て驚いていた。
お隣さんは畑に隣接しているので風通しがよくなると喜んでくれた。
あとで野菜をたくさんもらった。
無農薬だからおいしいよと言っていた。
大喜びでお礼をすると、
「うちの子の嫁さんに野菜を渡すと迷惑だと怒られる。」とさびしそうに言っていた。

正午前に東の畑を終えた。
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父はその光景を見て
「もうこの景色は見えんとおもっとった。」といった。

僕は
「ばあちゃんが見たらほめてくれるかな」というと、

父は
「俺は思いっきり怒られるわ。」と言っていた。

午後に西の畑に手を付けた。
こちらは10年放置の大物だった。広さも東の2倍ほどある。
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あまりにもツタが生い茂っていたので木の下の草はツタ以外生えていなかった。
ただいろんな木が大きく成長していた。
草刈り機では切れそうにないので取りあえず刈れるところだけを刈った。

そしてツタを取ろうと試みたが東の柿の木よりも背が高く、
東にはない種類の硬いツタが生えていて、何倍もの時間がかかった。

ツタと夕方まで格闘したが、埒が明かないので装備を整えまた後日やることにして帰路についた。
朝から夕方までぶっ通しだったが心は軽く、疲労感はなかった。
心のツタも少し取れた気がした。

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