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あれはパン屋時代
僕は会社の計らいでフランスのブーランジェリー(*1)で研修していた。
ちょうど今頃、パリ祭(*2)の季節だった。

♪チャーラーラー ダバダバダ ダバダバダ…♪(BGM) 

仕事をしていると

どこからともなく懐かしい香りがしてきた。

「まさか・・・そんな事あるはずない。」

僕は心の中でそう思い、仕事を続けた。

しかしそのオリエンタルな甘い香りは

たちまち部屋いっぱいに広がったのだ。

僕はたまらずその香りのするほうに振り向いた。



そこではフォファナとジュリアンがオペラ(*3)を作っていた。

オペラからあの香りがすることは信じ難かったが

確かにそこが出処だった。

僕は仕事もそのままにオペラに駆け寄った。

そしてまるで犬のように嗅ぎまわった。

「Qu’est-ce qui se passe , Heureux ?(うる、一体どうしたんだ。)」

フォファナは目を丸くして僕の奇行を見ていた。

「や・・・」

「?」

「やきとり」

「??」

「焼き鳥だこれ!」

「・・・????」

それはまさしく焼き鳥の香りだった。

あっけにとられている2人をよそに、僕の頭はフル回転していた。

「なぜ、オペラから焼き鳥の香りが・・・」

僕は鼻をビスキュイ・ジョコンド(*4)に近づけた。

驚いたことにビスキュイから焼いた鶏肉の香りがするのだ。

ぼくは許可も得ずにその生地の端をちぎりとり口に放り込んだ。

「鶏肉だ・・・」

その生地にコーヒー風味のシロップを染み込ませると・・・

焼き鳥の香りになる。

僕はしばらく目を閉じ・・・・

謎は解けた。


鶏肉の香りは生地の中の卵の香りであること。

そしてシロップに含まれる
エスプレッソの香ばしい香り(≒醤油)と甘い香り(=砂糖)

焼き鳥の香りの正体は 卵、コーヒー、砂糖だったのだ。

日本でもオペラは作っていたが

卵の香りと鶏肉の香りがつながったことはなかった。

「これがフランスの卵か・・・」

食材の違いを思い知らされた瞬間だった。


思えば”郷に入れば郷に従え”と

バゲットとパテの毎日だった。

日本食が恋しくなっても

使い切れもしない高い醤油を買う気にはならなかった。

それがコーヒーで再現できるというのだ。

その日の夕食は

コーヒー親子丼だった。 

à suivre(つづく)


注釈


*1 パン屋のこと
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*2 フランス独立記念日(7月14日)にパリで開催される祭り、軍事パレード等もある
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*3 フランスの有名な生菓子でビスキュイ・ジョコンド(*4)とガナッシュと
  コーヒー風味のバタークリームを何層にも重ね、表面をチョコレートでコーティングした菓子
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*4 マダムジョコンド(モナリザのモデルと言われている)の名をとった生地、
  アーモンドパウダーが入っている。薄くのばして焼く
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